研究課題/領域番号 |
07455278
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
加藤 雅治 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50161120)
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研究分担者 |
藤居 俊之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (40251665)
梶原 正憲 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (10161035)
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キーワード | 分散強化合金 / 高温変形 / 拡散緩和 / オロワン機構 / クリープ / 弾性論 |
研究概要 |
1.平成7年度の設備備品費で作製した高温雰囲気炉を用いて、Cu基合金の高温変形試験が可能となった。本年度は、とくにCu-Bi合金およびCu-Fe合金の方位制御された双結晶試料を用いた研究を精力的に行った。さらに、基礎データの蓄積の目的で、Cu-SiO_2内部酸化合金単結晶の室温から高温までの広い温度域での変形試験を行った。 2.Cu-Bi合金では、結晶粒界に偏析したBiによるぜい化の程度が、粒界の種類によって大きく異なることを見出し、この結果を国際会議に発表した。さらに、Cu-Fe合金では、内部酸化分散強化合金とは異なり、中間温度ぜい性を示す温度域が変形速度によってシフトするという新しい現象を発見した。このことは、粒子まわりでの拡散による応力緩和のみならず、析出Fe粒子が変形中に動的に成長していることを示唆しており、現在、それを明確に検証するための実験も遂行中である。 以上の実験的研究と合わせて、マイクロメカニックスを用いた理論的研究にも多くの成果があった。まず、拡散の起こる前のミスフィットひずみを持つ粒子の安定形状を弾性エネルギー最小条件より予測し、その形状が拡散緩和によってどのように変化するかについて理論的・解析的に評価することができた。そして、前者の粒子については、ミスフィットを横軸に、粒子硬度を縦軸にとった二次元平面内に粒子の最適形状を記述した「最適形状図」を作製することに成功した。
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