研究課題/領域番号 |
07455280
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
宮崎 亨 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70024213)
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研究分担者 |
守屋 健 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (40029525)
小山 敏幸 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (80225599)
小坂井 孝生 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80110253)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 分岐理論 / 非線形 / オストワルド成長 / 弾性拘束 / 時効析出 / 相変態 / 耐熱合金 / Microstructure change |
研究概要 |
従来、固体中の析出粒子粗大化現象では、小さな粒子が大きな粒子に吸収され進行することされてきたが、我々の一連の研究によって、析出粒子間の弾性相互作用により、逆に組織の均一微細化が生じ得ることが明らかになり、またこの現象の必然性解明に対して組織分岐理論を考案しその妥当性を評価してきた。本研究は、材料科学上重要なこの分岐現象を多くの合金系で調査し、組織分岐現象の出現条件を実験・理論両面で明らかにするとともに、これを利用した高性能耐熱合金の開発を目指すものである。本研究結果は、以下のようにまとめられる。 1.粒子成長の遅滞および分裂を新たに実験的に確認した合金系は、Fe-Al-Co,Ni-Moである。特に、Fe-Al-Co合金における析出粒子の分裂現象は、Ni合金と異なり、分裂時およびその後の形状変化が著しいことが明らかになった。また組織分岐理論に基づく計算をFe-Al-Co合金に対して行った結果、粒子分裂現象が最急降下エネルギーパスに沿って進行していることが導かれた。 2.透過型分析電子顕微鏡を利用した、材料学における新しい実験手法である「組成傾斜時効法」を提案した。本研究ではこの新手法を析出粒子の粗大化挙動の解析に適用し、粒子粗大化現象の本質的関係式であるGibbs-Thomsonの式を世界で初めて実験的に直接検証した。 3.弾性拘束下における組織形成を計算する種々のシミュレーション計算法を開発した。計算の結果、変調構造の形成、析出粒子サイズの均一化、析出粒子の分裂現象、弾性異方性の効果、弾性率不均質性の効果など、弾性拘束下における特徴的な組織形態変化が全て計算から導かれ、計算機実験に基づき弾性拘束下における組織形成過程を正確に解析する方法論を確立することができた。
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