研究概要 |
1.研究目的 反応性イオンエッチングは半導体デバイス製造のための重要な要素技術であるが,気相および表面上で多様な反応が同時に進行する複雑な反応系であるため,反応機構はよく分かっていない。本研究では、光検出器にCCDを用いる瞬間測光型の分光エリプソメータを作製し、これを用いて各種化合物薄膜の反応性イオンエッチング過程における表面性状の変化をin-situ解析し,反応機構について検討することを目的とする。 2.研究成果 (1)リアルタイム分光エリプソメータの校正方法の改良:平成7年度に試作したリアルタイム分光エリプソメータには迷光誤差が存在することが判明した。その原因について検討した結果,迷光はCCD検出器の保護窓と検出素子との間における光の散乱に起因することが分かった。そこで,残余関数校正法および回帰分析校正法に迷光補正を導入し,測定値から真のエリプソメータ値が得られるように校正係数を決定した。 (2)SiO_2、Si_3N_4およびSiC薄膜の反応性イオンエッチング過程における厚さおよび光学定数スペクトル測定:Si基板上に形成したSiO_2、Si_3N_4およびSiC薄膜を用いて,O_2/CF_4混合ガスエッチング中の皮膜の厚さおよび光学定数スペクトルの時間的変化を測定した。その結果,膜厚の変化からエッチング速度の定量的評価が可能であること,エッチング速度は反応ガスのO_2含有量が11%付近で最大になり,またプラズマパワーの増加と共に上昇することが分かった。光学定数スペクトルからは,エッチング中の皮膜最表面に極薄いシリコンフッ化物層が生成することが分かった。
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