研究概要 |
気相および表面上で多様な反応が同時に進行する反応性イオンエッチングの反応機構を解明するために、光検出器にCCDを用いる瞬間測光型の分光エリプソメータを開発し、これを各種化合物薄膜の反応性イオンエッチング過程の解析に応用した。得られた成果は以下のようにまとめられる。 1.マルチチャンネル分光エリプソメータの設計と試作:白色光源(Xeランプ)-コリメーター回転ポーラライザー試料-固定アナライザーモノクロメーターCCDから成る光学系を持つマルチチャンネル分光エリプソメータを設計,試作した。 2.マルチチャンネル分光エリプソメータの校正と性能評価:作製したエリプソメータの系統的誤差補正を行うと共に,性能を評価した。本装置の測定所用時間は100ms、測定波長範囲は470〜1060nm、測定誤差は±0.1°以内であった。 3.イオンビームスパッタ蒸着法によるSi_3N_4、SiO_2およびSiC薄膜の作製:イオンビームスパッタ蒸着法を用いてSiおよびPt基板上に表記の化合物薄膜を作製した。薄膜の化学組成をXPSおよびAESによって分析し、化学量論組成の薄膜を得るための最適蒸着条件を決定した。 4.SiO_2、Si_3N_4およびSiC薄膜の反応性イオンエッチング過程の解析:O_2/CF_4混合ガスプラズマ中における皮膜の厚さおよび光学定数スペクトルの時間的変化を測定した。エッチングの進行と共に皮膜のエッチング速度とミクロ構造が急速に変化することが分かった。
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