研究概要 |
平成7年度における研究の目的は常温平板に衝突する液滴粒子の変形挙動を解析するためのコンピュータープログラムの作成とそれを観察するための実験手法の確立である. 液滴の変形挙動を解析するための数学モデルには,液体の粘性効果,表面張力効果および重力効果を導入し,液滴の自由表面の時間経過に伴う変化はMACタイプの解析手法によって追跡した.また,支配方程式中の時間項は陽のオイラースキームを,対流項は2次精度の上流差分法を,さらに粘性項は2次精度の中心差分法を適用して離散化を行った.これによって,液滴は平板と衝突するやいなや,液滴下部から放射状に薄い液膜流が発達し,平板上で円盤形に広がるが,その後収縮することを理論的に明らかにした.また,複数のフラッシュを微小時間間隔で発光させて多重露光撮影を行い,多数の多重露光画像から統計的手法によって液滴の変形挙動を実験的に把握することに成功した.数値結果は,この実験手法を用いて得られた結果と比較され,両者は良好な一致が見られた. これらの成果は米国機械学会誌および鉄鋼協会英文誌に掲載された.
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