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1996 年度 実績報告書

カオス理論を応用した微細組織材料の作成とその物性

研究課題

研究課題/領域番号 07455300
研究種目

基盤研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

石原 慶一  京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (30184550)

研究分担者 大槻 徹  京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (10026148)
新宮 秀夫  京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20026024)
キーワードカオス / メカニカルアロイング / スパッター / 繰り返し変形 / 合金化 / キネティクス
研究概要

本研究の目的は多層試料を作成しそれに繰り返し変形を加えることにより、試料がどのように変形し、また反応が起こるかなどを調べることにある。また、その変形過程をカオス理論を用いて解析することにある。
本年度は,昨年度購入したスパッター装置を用いて厚膜多層試料の作成を行なった。
Al-Fe,Al-Ni系において5nmから100nmまでの層厚を有する多層体を作成できた。これらについて様々な温度で界面で起る反応を調べた。
AlFe系においては、多層膜を作った時点でごく少量の金属間化合物が混ざっていた。DSC中の加熱にともないこれらが成長して化合物の反応が起るとともに新たなる結晶相もできる。加熱にともない現れる結晶は多種類に及んでいる。
AlNi系においては、多層膜を作った時点では金属間化合物は見い出されなかった。その後の加熱でやはり新たな結晶の生成にともなう発熱反応が確認された。
化合物化温度は相厚に依存するが10nm以上では大きな差は無かった。ただし、5nmのサンプルはAlFe,AlNiともに安定であり、600℃までほとんど反応が起らなかった。これは一つには5nmという薄膜の製造時にある程度化合物がきてしまってると思われるが現在まで調査した結果においてはそのような兆候は見られなかった。
その結果、金属薄膜が10nm以下の厚さになったとき安定性を増すのではないかという知見を得た。一般に厚さが薄くなればなるほど不安定になることは知られており、我々の実験結果においてもそうである。このとき、高温からの外装では数十mnでは室温で反応するはずである。従って、それより薄い膜は製膜中に反応を起こすはずである。しかし、実際には10nm以下の厚さでも作成できることから考え、薄膜特有の性質がこの厚さででてくる可能性はある。
来年度においては、これらを取りまとめ成果を発表する予定である。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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