極超急冷法による非平衡物質の合成と評価に関する研究

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07455303
• 研究種目: 一般研究(B)
• 研究機関: 法政大学
• 研究代表者: 守吉 佑介 法政大学, 工学部, 教授 (90267328)
• キーワード: 超急冷 / 高周波熱プラズマ / 直流アークプラズマ / 超微粒子 / ダイヤモンド / 炭化チタン / 表面改質

研究概要

「直流アークプラズマ及び高周波熱プラズマ反応炉(現有設備;高周波プラズマ15kW13。56MHz、直流アーク15kW)の中で、プラズマフレームの尾炎部を高効率的に超急冷し、フレーム中の高活性の化学種をクエンチする回転双ローラー式超急冷装置および平板式超急冷装置を設計開発した。これらを用いて、次のような研究を行った。
1)アセチレンと水素を原料にダイヤモンド超微粒子の合成とその微細構造について研究した。
10-30nmのダイヤモンド超微粒子を合成し、TEM観察を詳細に行って、超微粒子の生成機構について考察した。
2)B_2O_3、hBN、Cを原料にB-C-N-O系の新物質・非平衡物質の合成を試み、合成の可能性について検討した。
この研究によって、新しいX線回折ピークが見出されたことから、新物質の合成の可能性が示唆されたものの、量的に極めて少なく、超微粒子試料の回収法に問題が浮上した。現在、より効率的な合成法と試料の回収法の装置改良を行っている。
3)プラズマ処理により炭化チタンの改質に関する研究をした。
Ar-O2をプラズマガスとする高周波熱プラズマ中に所定の大きさの炭化チタン粒子を注入し、急速加熱・超急冷プロセスを利用して、炭化チタン粒子のプラズマとの相互作用などについて研究した。このプロセスによって、炭素サイトの点欠陥の生成と粒子表面への酵素の溶解がおこり、炭化チタンの焼結性が著しく改善されることを解明した。
4)その他の研究
高周波プラズマの温度分布のシュミレーションをし、高周波プラズマ中への試料の注入法について検討した。

研究成果

• [文献書誌] T. Ishigaki, Y. Moriyoshi,: "Compositional modification of titanium carbide powders by induction plasma treatment" J. Mater. Sci.,. 30. 883-890 (1995)
• [文献書誌] 守吉佑介、石垣隆正: "MgOにおける粒成長" 無機マテリアル. 2. 486-491 (1995)
• [文献書誌] Y. Moriyoshi, N. Ekinaga: "Characterization of SiC-AIN-Fe_2Sicomposite with high porosity from allophane" J. Mater. Sci.30. 4369-4374 (1995)
• [文献書誌] T. Ishigaki, Y. Moriyoshi: "Thermal Plasma Modification of TiC Powder-Thermochemical Analysis and Experimental Study" Proc. of 12th International Symposium of Plasma Chemistry. 3. 1361-1366 (1995)
• [文献書誌] T. Watanabe, Y. Moritoshi: "Thermal plasma modification of TiC powder-Numerical analysis of powder behavior in plasma" ibid. 3. 1195-1200 (1995)
• [文献書誌] T. Ishigaki, Y. Moriyoshi: "Physical, Chemical and Microstructural Modification of Powders by Plasma" ibid. 3. 1313-1318 (1995)
• [文献書誌] K. Uematatsu, Y. Moriyoshi: "Interfaces in Ceramic Materals" Tran. Tech. Publication, 1-420 (1995)
• [文献書誌] 守吉佑介、笹本忠: "セラミックスの焼結" (株)内田老鶴圃, 1-245 (1995)