極超急冷法による非平衡物質の合成と評価に関する研究

1996 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07455303
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 法政大学
• 研究代表者: 守吉 佑介 法政大学, 工学部, 教授 (90267328)
• キーワード: BN nanotube / DC arc plasma / formation mechanism

研究概要

BCN系焼結体を直流アークで解離・蒸発させ、それを超急冷することによりBCN系超微粒子を合成した。本年度は、この方法で合成されるBCN系ナノチューブの微細構造を主としてSEM,TEM,AEM(分析電子顕微鏡)で調べ、その生成機構を研究した。
所定量に混合したBN、B_2O_3、Cの混合物を800℃、2時間焼結してBCN系焼結体をえた。また、尿素とホウ酸を重量比で1:2.2にまぜ、せれにサッカロースを所定量加えて混合してビーカー中で徐々に昇温し、220℃から2000℃の間の所定温度で1時間保持してBC_4N多孔体をえた。それらBCN系の焼結体および多孔体に直流アークプラズマ(10kW)の尾炎部を直接当てて強制的に解離・蒸発させた。蒸発ガスを水冷銅板状で超急冷し、微粒子として核生成させた。それを捕集して微粒子中のBCN系ナノチューブを、SEM、TEM、AEM(分析電子顕微鏡)で調べた。直流アークプラズマは、N_2、アルゴン、アルゴンとN_2の混合ガス中約100トールで発生した。
上記の研究方法で合成した微粒子を調べた結果、次のようなことを明らかにした。
1)BN系ナノチューブが合成される。
2)BN系ナノチューブはほとんどが5層以上の入れ子状になっている。
3)BN系ナノチューブの先端は閉じられており、6員環だけでなく、4員環や5員環の存在を示唆している。
4)BN系ナノチューブの生成機構に関与する前駆体のカップ状粒子の微構造からBNナノチューブの生成機構を推論した。

研究成果

• [文献書誌] T.Watanabe,A.Kanzawa,Y.Moriyoshi: "Thermal plasma Treatment of T : C powders : Part I.Numerical analgsis of powder behavior in Ar-H_2 and Ar-N_2 radio frequency plasma" J.Mater.Res.11. 2598-2610 (1996)
• [文献書誌] T.Ishigaki,Y.Moriyoshi,T.Watanabe: "Thermal plasma Treatment of T : C powders : Part II.In-flight formation of carbon site vacancies and subsequent nitridation in T : C powders" J.Mater.Res.11. 2811-2824 (1996)
• [文献書誌] Y.Moriyoshi,M.Futaki,S.Komatsu: "Preparation and charaiterization of ultra fine diamond powder oftained by DC arc plasma" J.Mater.Sci.31. 3579-3582 (1996)
• [文献書誌] N,Ekinaga,Y.Moriyoshi,S.Komatsu: "Characterigation of Sic-Aln-Fe_2Si composite prepared from allophane" Proc.Japan-U.S.Workshop on Fanction Fronts. 220-226 (1996)
• [文献書誌] Y.Moriyoshi,Y.Shimizu,S.Komatsu: "Preparation and Characterization of ultra fine B-C-N-O powders" Proc.the 3rd Asia-Pacific Conference on Plasma saence & Tech.559-563 (1996)
• [文献書誌] 牛尾誠夫、武田紘一、守吉佑介他編著: "熱プラズマプロセッシングの基礎と応用" 信山社(株), 351 (1996)
• [文献書誌] K.Uematsu,Y.Moriyoshi,Y.Saito,J.Nowotny: "Interfaces of Ceramic Materials" Trans Tech Publications, 416 (1995)