血液の流れが工業的に応用できる可能性があるかどうかを検討するため、円板状粒子を含んだ固液混相流を脈動流として流し、その流動様式、圧力損失および伝熱速度に対する円板直径と管径との比、脈動の振幅および周波数等の影響を明らかにすることを目的として実験を行い、下記の結果を得た。 1.円径5〜50mmのガラス製円管内に直径約5mm、厚さ約0.1mmのゴム製小円板(模擬赤血球)とシリコン油(模擬血漿)の混合物を定常流として流して圧力損失を測定し、圧力損失に対する小円板濃度(ヘマクリット値)、小円板と管の直径比および流体の速度(レイノルズ数)の関係を求めた。 2.小円板の速度を写真撮影法により測定し、小円板の速度と流体の速度との差に対するヘマクリット値およびレイノルズ数の影響を求めた。 3.また、管内における小円板の濃度と混合平均濃度との比に対するレイノルズ数の影響を求めた。 4.ガラス製円管を銅製の加熱円管に変更して伝熱速度を測定し、伝熱係数とヘマクリット値およびレイノルズ数との関係を求めた。
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