研究課題/領域番号 |
07455305
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋本 伊織 京都大学, 工学研究科, 教授 (40026076)
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研究分担者 |
加納 学 京都大学, 工学研究科, 助手 (30263114)
長谷部 伸治 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60144333)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | スケジューリング / 自律分散システム / 組合せ最適化 / 並列処理 / シミュレーティド アニーリング / 遺伝アルゴリズム |
研究概要 |
各装置での生産順序や生産開始時刻を、できるかぎり各生産工程独自で決定することにより、各工程の意志決定アルゴリズムが明確になり、予期せぬ変動に対しても工程毎に柔軟に対処できるシステムとなる。本研究では、このような自律分散型システムの特徴を生かした、スケジューリングシステムの開発を目的として研究を進め、以下の成果を得た。 1)化学プロセスの特徴を考慮した自律分散型スケジューリングシステムの開発 化学プロセスでは扱う物質が流体であるため、装置間に物質を貯留するのにタンクを必要とする、という特徴を有している。本研究では、工程間で授受する情報の種類や、各工程での開始時刻計算アルゴリズムを工夫することにより、提案した自律分散型アルゴリズムが、化学プロセスの特徴を考慮したスケジューリング問題に適用可能であることを、大規模な化学プロセスのスケジューリング問題を用いて示した。 2)並列装置を有する多工程プロセスに対する自律分散型システムの開発 並列装置からなるプロセスに対して、スーパーバイザーをもたずに装置間でジョブを交換する仕組みを考案した。各工程に属する装置にこのような機能を持たせることで、並列装置を有する多工程プロセスに適用可能な、自律分散型スケジューリングシステムを開発した。 3)自律分散型スケジューリングシステムにおける協調機構の解明 システムが自律的に振る舞うためには、他の要素との協調が鍵となる。本研究では、情報交換の初期の段階では各工程が自工程の評価を重視してスケジュールを作成し、次第に他工程との関係に関する評価の重みを増すアルゴリズムを用いている。アルゴリズムの持つこの特徴により、提案したシステムが、全体の評価に大きな影響を与える工程のスケジュールを、他の工程より重視して作成する機能を、陽的に与えることなく有することを明らかにした。
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