自己フィードバック型素過程を持ち、完全混合系でも化学振動が発生する化学反応としてBelousov-Zhabotinskii反応を用い、その速度過程に対する濃度勾配拡散と局所ミクロ混合の影響を実験により調べた。その反応器として、完全混合に近いCSTRを上流側に、下流側に軸方向に拡散抵抗がある充填層反応器あるいはテイラー渦流反応器を連結した。それらの反応器における化学振動の不安定現象の分岐シナリオに対する不完全混合の影響について説明するためには、特にテイラー渦流反応器においては流動状態の履歴現象および渦構造が重要な問題であることがわかり、別の装置で電気化学的方法により、混合に大きな影響を与える渦運動、波運動の分岐現象をも調べた。また、不完全混合反応器であるが、軸方向拡散をある程度制御できるテイラー渦流反応器で実際にスチレンの連続乳化重合反応を行い、得られるラテックス粒子の粒径分布をある程度、制御できることも見いだした。
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