研究課題/領域番号 |
07455313
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋本 健治 京都大学, 工学研究科, 教授 (20025919)
|
研究分担者 |
向井 紳 京都大学, 工学研究科, 助手 (70243045)
河瀬 元明 京都大学, 工学研究科, 助手 (60231271)
増田 隆夫 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20165715)
|
キーワード | 傾斜機能材料 / セラミックス複合材 / C / Cコンポジット / 炭化珪素 / 化学気相浸透法 / 数値シミュレーション / CVI / CVD |
研究概要 |
本研究では、炭化珪素/炭素傾斜機能材料を化学気相浸透法で作製することにより、製造時間の短縮ならびに、耐剥離性の向上を目指している。 まず、成膜反応実験を行った。炭化珪素成膜はジクロロジメチルシランを原料として行った。炭素成膜は、メタン、プロパン、プロピレン、1,1,2-トリクロロエタンを原料として実験を行い、好ましい原料として、成膜速度の大きいトリクロロエタンを選定した。雰囲気ガスはアルゴンが適していた。両反応とも、気相熱分解を主経路とする1次反応であることがわかり、700〜1100℃の範囲で反応速度定数を定式化した。 ついで、トリクロロエタンとジメチルジクロロシランの2種類の原料の流量を経時的に変化させて成膜実験を行ったところ、得られる固体の化学組成分布を滑らかに変化させることに成功した。 化学気相浸透法実験では、基材として3D織炭素繊維プリフォームを用い、炭素/炭素複合材を製造した。基材の下面のみを加熱し、基材内に温度勾配を与えて化学気相浸透法を行ったところ、基材内での細孔閉塞を避けられることが確認できた。これにより、複合材製造の高速化が可能となる。来年度は化学気相浸透法実験でも、原料組成を経時的に変化させ、複合材の傾斜化を行う予定である。 最後に、3D織炭素繊維成形体を基材とする温度勾配化学気相浸透法プロセスを数値的に表現するモデルとして、3次元モデルと均質多孔体モデルを構築し、数値シミュレーションを行った。その結果、3Dプリフォームのような大きな構造をもつ基材は、均質多孔体として近似的に扱うことができないことがわかった。3次元モデルは実験結果を再現することができたが、計算機付加が大きく、今後は、より簡便なモデルを検討する予定である。
|