研究課題/領域番号 |
07455315
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中塩 文行 九州大学, 工学部, 教授 (70037729)
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研究分担者 |
久保田 富生子 九州大学, 工学部, 教務員
後藤 雅宏 九州大学, 工学部, 助教授 (10211921)
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キーワード | 分子集合体 / 逆ミセル / マイクロエマルション / 抽出 / 分離 / タンパク質 / 酵素 / バイオリアクター |
研究概要 |
新しく開発した界面活性剤ジオレイルリン酸(DOLPAと略記)を用いることによって、これまでとは性質の大きとく異なる逆ミセルを構築することが出来た。本年度具体的に得られた成果は以下の通りである。 1.AOT-DOLPAハイブリッド逆相ミセルによる活性タンパク質の認識 2種類の界面活性剤AOTおよびDOLPAを適当な割合で混合することによって、水溶液中から、活性なタンパク質を特異的に抽出できることが明かとなった。AOTとDOLPAを、モル比で8:2に混合した逆ミセルは、活性なタンパク質α-キモトリプシンを効率よく抽出するが、上記溶液を高温で煮沸し、熱失活したタンパク質はほとんど抽出されなかった。また活性タンパク質の認識能の程度は、混合モル比およびその濃度に大きく依存した。 2.逆ミセルを用いたナノ構造バイオリアクターの構築 DOLPAによって形成された逆ミセルは、従来の逆ミセルに比較して、極めて高い孤立性を有することが明かとなった。この特性は有機媒体中に酵素を安定に保持するためのマトリックスとして非常に有用な性質となる。α-キモトリプシンを有機相デカン中に取り込んだ逆ミセル溶液を、アミノ酸分解のバイオリアクターとして用いることができた。酵素を含んだ逆ミセル溶液は、光学活性を有するアミノ酸の一方のみを効率よく触媒した。この溶液は、5回の繰り返し使用においてもまったく活性の低下が見られず、高性能のバイオリアクターとなった
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