研究課題/領域番号 |
07455335
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉田 宏 北海道大学, 工学部, 教授 (20027410)
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研究分担者 |
小泉 均 北海道大学, 工学部, 助手 (00175324)
市川 恒樹 北海道大学, 工学部, 助教授 (10001942)
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キーワード | 高分子 / レジスト / ポリメタクリル酸メチル / ポリシラン / 放射線分解 / ラジカル / ESR / リソグラフィ |
研究概要 |
半導体集積回路超微細加工のリソグラフィ技術における原画の作製には、電子線リソグラフィが必須の技術である。本研究は、電子線レジストの開発に対して有用な基礎的知見を得るため、典型的な放射線分解型高分子であるポリメタクリル酸メチルおよびポリシランについて、放射線照射による主鎖切断の照射温度および添加物に対する依存性とこれら高分子中に放射線で生成するラジカルの挙動を調べることにより、主鎖切断の化学反応機構を素反応の系列として書き表せる段階にまで明らかにすることを目的とした。 ポリメタクリル酸メチル(PMMA)については、極度に生成した純粋のPMMAをガンマ線照射したときの主鎖切断効率(G_s値)は、室温から77Kの照射温度で一定で1.5であるが、不純物としてモノマーを含むPMMAでは、照射温度が200Kより下がるとG_sが低下して、77Kでは主鎖切断が起こらない。77KでPMMA中に生成したラジカルの昇温過程での挙動と比較すると、主鎖切断は側鎖のメチル基からH原子が抜けて生成したラジカルを前駆体として起こることがわかった。次年度は、前駆体ラジカルに対する捕捉剤が低温における主鎖切断にどのように影響するかを詳細に調べる予定である。 ポリメチルシクロヘキシルシランやポリメチルフエニルシランなどのポリシランや対応するオリゴマーから生成するイオンラジカルをESRや電子スペクトル法で調べた。またポリシランのガンマ線照射による主鎖切断効率を調べた。ポリシランはG_sが1.8程度で典型的は放射線分解型の高分子であることが確かめられた。ポリシランは正負電荷を捕捉してイオンラジカルを容易に生成するが、主鎖切断はラジカル反応で起こり、イオンラジカルは関与しないことがわかった。次年度は、G_s値の分子量依存性を詳しく調べる予定である。
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