• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

低膨張相転移を有する複合スピネル系酸化物の結晶構造制御と高機能電極材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 07455336
研究種目

一般研究(B)

研究機関東京工業大学

研究代表者

脇原 將孝  東京工業大学, 工学部, 教授 (20016596)

研究分担者 生田 博将  東京工業大学, 工学部, 助手 (80242270)
キーワードリチウム二次電池 / スピネル型酸化物 / 酸素分圧制御
研究概要

本研究では、正スピネル構造有するリチウム複合酸化物LiV_2O_4あるいはLiM_yMn_<2-y>O_4(M=Cr,Co,Ni)のリチウム二次電池特性について研究を行なった。
まず、LiV_2O_4は二酸化炭素と水素の混合気体中で、650℃から950℃の温度で合成を行なった。このLiV_2O_4へのリチウムのインターカレーションでは、非常に平坦な電位が2.45V付近に現われた。この電位の平坦部では、もとの立方晶のLiV_2O_4と、新たにリチウムのインターカレーションにより生じた立方晶のLiV_2O_4が共存する。このインターカレーションに伴い格子定数は1.8%程度増加するだけであり、その変化率は非常に小さい。従って、リチウムのインターカレーション・デインターカレーションに伴う、結晶構造の変化は小さく、800回目のサイクルにおいても初期容量の70%程度の容量を維持しており、安定したサイクル特性を示す。
一方、LiM_yMn_<2-y>O_4(M=Cr,Co,Ni)の充放電曲線については遷移金属の置換量が増加するに、従い充放電容量は減少することがわかった。これは、3価あるいは2価の遷移金属で置換することにより、Mnの平均酸化数が増加し、リチウムのデインターカレートする量が減少するためであると考えられる。一方、LiM_<1/6>Mn_<11/6>O_4(M=Cr,Co,Ni)のリチウムのインターカレーション・デインターカレーションに伴う格子体積の変化を概算するとM=Mn:7.5%,Cr:5.4%,Co:6.0%,Ni:4.4%となる。従って、他の遷移金属で置換することにより格子定数の変化が抑制される。また、遷移金属の置換量が増加するに従い、格子定数の変化量は減少した。
このように、Mnを他の遷移金属で置換したスピネル型酸化物の方が良好なサイクル特性を示した。充放電容量とサイクル特性の両者を考慮すると、LiCr_<1/6>Mn_<11/6>O_4あるいはLiCo_<1/6>Mn_<11/6>O_4がスピネル型酸化物正極では、優れた特性を示した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M. Wakihara et al.: "The spinel phase LiM_yMn_<2-y>O_4(M=Co, Cr, Ni)as the Cathode for Rechrgeable Lithium Cells" J. Electrochem. Soc.143. 178-182 (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi