研究課題/領域番号 |
07455342
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松尾 拓 九州大学, 工学部, 教授 (30037725)
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研究分担者 |
新留 康郎 九州大学, 工学部, 助手 (50264081)
米村 弘明 九州大学, 工学部, 講師 (40220769)
山田 淳 九州大学, 工学部, 教授 (30136551)
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キーワード | 高分子超薄膜 / 水面展開法 / 光第二高調波(SHG) / 光電流 / LB膜 / 光音響信号 / ポリ塩化ビニル / ポルフィリン |
研究概要 |
(1)高分子超薄膜の表面修飾による光第二高調波発生 水面展開法で得たポリメタアクリル酸メチルの超薄膜(厚み、約60nm)に両親媒性ルテニウムポリピリジン錯体を固定し、この膜2枚の距離を変化させた時の光第二高調波発生(SHG)の干渉挙動から、膜表面でのルテニウム錯体の配向がSHGの起源であることを実証した。また、ポリ塩化ビニルの超薄膜表面でカチオン性ポルフィリンとアニオン性ポルフィリンの相互作用によるSHGを見出し、界面吸着挙動の解明にSHGが極めて優れていることを立証した。 (2)有機超薄膜への光化学的電子注入 ポルフィリン亜鉛錯体とビオローゲンをメチレン鎖で結合した化合物をLB法でITO透明電極に固定し、錯体の光励起により溶液から電極への電子注入が可能なことを見出した。この光電流は溶液中に加えたトリエタノールアミンの濃度、およびと外部磁場によって増える。よって、ポルフィリン亜鉛錯体からビオローゲンへの光誘起電子移動によって生成したラジカル対が、電子輸送に関するスイッチとして作動していることを明らかになった。 (3)高分子超薄膜を用いる光音響効果の検証 ポリメタアクリル酸メチルの水面展開膜にポルフィリンおよびアゾ系色素を保持させ、その光吸収による光音響信号(PAS)を検出した。従来検討されていたμmレベルの膜に比べて、効率良く光から音響への変換が進行することを見出した。分光感度は実用化に十分耐える領域にあり、薄膜の光機能の一つとして重要な示唆に富む結果である。
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