研究課題/領域番号 |
07455347
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
河本 邦仁 名古屋大学, 工学部, 教授 (30133094)
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研究分担者 |
徐 元善 名古屋大学, 工学部, 助手 (30242829)
鈴木 豊 名古屋大学, 工学部, 助手 (60023214)
桑原 勝美 名古屋大学, 工学部, 講師 (40023262)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 無機-有機界面 / 分子認識 / テンプレート / 結晶成長 / 単分子膜 / LB膜 / 優先配向 / 形態制御 |
研究概要 |
本研究は、無機-有機界面における分子認識的相互作用を利用して、無機結晶成長の制御を行うことにより、無機機能材料の低温合成・形態制御法を開発するための基礎を確立することを目的としており、ラングミュア単分子膜下における水酸アパタイト、マグネタイト、AgCl等の結晶成長及びLB膜上への金属Znの蒸気成長に関する研究を行い、分子集合体表面のテンプレート効果が無機結晶化制御に有効性を検証した。まず、いくつかの官能基を持つ両親媒性単分子膜を用いてアパタイトの成長実験を行ったところ、ステアリルアルコールやコレステロールなどのOH基がアパタイトの核生成を促進することが判明し、(100)面配向が顕著に見られた。つぎに、塩化鉄(II)水溶液上に形成した単分子膜の外部より反応ガス(アンモニア)を投下させることにより、無機-有機界面において水溶液から直接マグネタイトの薄膜を成長させることを試みた。成長したマグネタイトには残念ながら二次元配向膜の構造を反映する配向性の特徴は現れなかったが、単分子膜は成長した結晶を膜の下部に引き寄せ安定化する働きがあるため、水溶液から直接マグネタイト薄膜を合成することができた。さらに、硝酸銀溶液を下層液として、外部からHCIガスを導入して反応を行うことにより、ステアリン酸単分子膜下にAgCl結晶を成長させた。マグネタイトが複雑な段階を経て結晶成長するために特定の面の優先配向が見られなかったのに対し、AgClはAgイオンとClイオンの単純な一段反応によって結晶化するために単分子膜のテンプレート効果が顕著に現れ、優先配向成長が起こった。最後に、ステアリン酸のLB膜を用いて、親水表面および疎水表面にZnを真空蒸着し、結晶化の違いを見た結果、低蒸着速度では膜成長の初期に、親水表面には大きな結晶が配向成長するのに対し、疎水表面にはナノオーダーの微粒子が成長することを見出した。
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