研究課題/領域番号 |
07455349
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
神谷 寛一 三重大学, 工学部, 教授 (00024597)
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研究分担者 |
橋本 忠範 三重大学, 工学部, 助手 (10271016)
那須 弘行 三重大学, 工学部, 助教授 (20189179)
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キーワード | ゾル-ゲル法 / 低温ガラス合成 / BaO-TiO_2ガラス / PbO-GeO_2ガラス / ケイ素グリコラト錯体 / 非晶質アルミナゲル / ア・ミナゲルの低温α化 |
研究概要 |
本研究では、ゾル-ゲル法のいくつかの利点のうち、特に低温でガラス(又は非晶質)を作製できるという原点に立ち戻り、低温だからこそ実現し得る新規な組成や構造を持つガラスを合成することを目的とし、本年度は対象組成をBaO-TiO_2、PbO-GeO_2、アルカリシリケート、アルミナに拡張し、それぞれ以下の新しい知見を得た。 1.BaO-TiO_2系;BaOを20、30mol%含有するチタン酸塩ガラスが初めて合成された。また、その中のチタンの酸素配位多面体はTiO_6八面体であるが、一対のTi-O距離が他に比べてかなり小さく、非常に歪んだものであり、ガラスの二次の非線形性の起源となりうるものであることがわかった。 2.PbO-GeO_2系;前年度報告したNa_20-GeO_2系と同じように、PbO-GeO_2系においても、低温で安定な6配位Geが溶融法で作られるものよりも多く含まれることがわかった。 3.5配位Siを含むグリコラト錯体の熱分解によって、Li_2O-SiO_2およびK_2O-SiO_2系ガラスが作製され、Siの配位数に着目して構造を調査した。しかし、当初の期待のように高配位数Siをガラス状態で維持することは困難であることがわかり、課題を残した。 4.アルミニウムのアルコキシドから非晶質アルミナ水和物ゲルが作られるが、ゾルの組成、加水分解温度、エージング条件を調節することにより、500〜600℃でα-アルミナを生成するアルミナ非晶体が生成することを発見した。
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