研究課題/領域番号 |
07455364
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
松村 功啓 長崎大学, 薬学部, 教授 (60026309)
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研究分担者 |
渡辺 三明 長崎大学, 計測・分析センター, 助教授 (10039654)
木下 敏夫 長崎大学, 薬学部, 助教授 (60039641)
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キーワード | 電極酸化 / カルバメート / 不斉反応 / α-アルキル-α-アミノ酸 / プロリン / p-ヒドロキシアミン |
研究概要 |
カルバメート類の電極酸化反応の選択性、効率性に及ぼすα位置換基を系統的に研究するとともに、酸化生成物を利用して含窒素医薬品をターゲットに含めた精密有機合成反応へと展開した。その結果、以下の成果を得た。 1)α位に電子吸引性基を有するプロリンエステルのN-メトキシカルボニル誘導体の電極酸化を行い、α位とα′位酸化生成物を精査した。メタノール溶媒中で酸化反応では酸化は選択的にα′位で起り、α′位に導入したメトキシ基に関する立体化学は約50/50であることが解った。次いで,この酸化生成物を利用してプロリンの不斉α-アルキル化法を開拓した。それは、α′-メトキシ基をチオフェニル基に変換し、立体異性体を分離後、このα′-チオフェニル基を利用して不斉α-アルキル化を行う方法である。 2)ピペコリン酸エステルについても、1)と同様の電極酸化を行った。この反応では、プロリン誘導体と異なり、立体選択的にα′位にメトキシ基を導入できたので、このα′-メトキシ基を利用して不斉α-アルキル化を達成できた。 3)ピペリジン誘導体の電極酸化生成物を利用して、そのγ位にマロン酸エステル基を選択的に導入する方法を開拓した。さらにγ位に不斉にアルキル基を導入する方法も開拓した。 4)1級アミンから誘導したカルバメート類の電極酸化によりα-メトキシ体を得、これを利用して、種々の官能基を有するエナミンを合成できた。 5)4)の応用として、1級アミンからの光学活性β-ヒドロキシアミン類の新合成法を開拓した。
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