研究課題/領域番号 |
07455373
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮本 武明 京都大学, 化学研究所, 教授 (60027050)
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研究分担者 |
呑海 信雄 京都大学, 化学研究所, 教務職員 (90237181)
箕田 雅彦 京都大学, 化学研究所, 助手 (30229786)
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キーワード | 糖鎖ポリマー / 両親媒性ポリマー / ブロックコポリマー / ランダムコポリマー / ビニルエーテル / リビングカチオン重合 / ポリマー超薄膜 / 環境応答特性 |
研究概要 |
本研究は、糖鎖高分子を一成分とする新しいタイプの両親媒性ブロックコポリマーをリビングカチオン重合法を用いて合成し、その構造特性と機能特性との相関を明らかにするいことを目的とする。本年度は、昨年度精密合成に成功した両親媒性糖鎖ブロックコポリマーの性質に焦点を当てて研究を行い、特にキャスト膜表面の環境応答挙動について詳細に検討するとともに、単分子膜の作成と機能特性についても検討を加えた。 1.グルコース含有両親媒性ブロックコポリマーのキャスト膜の外部環境による変化を接触角測定により検討した結果、空気中では疎水性セグメントが、水中では親水性糖鎖セグメントが膜表面を覆っており、良好な環境応答性を示すことを明らかにした。 2.リビングカチオン重合法を用いてほぼ同じ組成を有する構造の明確なグルコース含有両親媒性ブロックコポリマーおよびランダムコポリマーを合成し、セグメント配列やセグメント長の差異が凝集構造形成や環境応答性に及ぼす影響を明らかにした。 3.グルコース含有両親媒性ブロックコポリマーが安定な水面単分子膜を形成し、繰り返し基板に累積可能であることを見いだした。表面プラズモン解析および透過型電子顕微鏡観察により、圧縮に伴い膜構造が変化すること、ならびに、ポリマーの1次構造(ブロック組成)および疎水成分ホモポリマーの混合により膜構造を制御可能であることを示した。 4.昨年度新規に分子設計したグルコサミン残基を側鎖に有するビニリエーテルモノマーのリビングカチオンブロック共重合により、アミノ糖含有両親媒性ブロックコポリマーの合成に成功した。
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