研究課題/領域番号 |
07455385
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
足立 桂一郎 大阪大学, 理学部, 助教授 (00028226)
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研究分担者 |
四方 俊幸 大阪大学, 理学部, 助手 (10178858)
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キーワード | ブロック共重合体 / ミクロ相構造 / 規則-不規則転移 / 断熱型比熱計 / スチレン-イソプレンブロック共重合体 / トリブロック共重合体 / モルフォロジー / 誘電測定 |
研究概要 |
ブロック共重合体(SI)は昇温あるいは共通良溶媒の添加により、規則的ミクロ相構造から不規則または混合状態への規則-不規則転移(ODT)を示す。また、ODTの前後で、ブロック鎖の運動状態が大きく変化する。本研究の目的は比熱の精密測定により、転移の熱力学と揺らぎの関係を解明することを目的とする。 本年は断熱型比熱計の作成を行なった。装置が市販されていないため、各部分を自作する必要がありまだ完成していない。温度計として、ロジウム-鉄抵抗温度計を用い、その抵抗を精密なブリッジ(ASL社S1059PA型)で測定する。一方、ジュール熱測定は四端子法により精密電圧計(Keithley社)を用いて行うように設計した。これらの装置の較正を行い十分の精度を持つことを確認した。また二重の断熱壁をもつクライオスタットを作成し、セルは金鍍金した。またコンピューター(NEC PC-9800)により測定や温度制御をすべて自動化するようにプログラムを作成中である。次に種々の組成および分子量を持つスチレン-イソプレンジブロック共重合体(SI)およびトリブロック共重合体(SIS)をリビングアニオン重合で合成した。転移点近傍の動的挙動を調べるため、トルエン溶液の誘電測定を行った。その結果、ラメラモルフォロジーを持つSIジブロック共重合体ではODTより低温で損失曲線が明確な二重ピークになるのに対し、シリンダー型のモルフォロジーを持つSIでは弱いショルダーが見られた。また、SISトリブロック共重合体ではODTで際立った変化を示さないことがわかった。
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