| 研究概要 |
本研究では,まずクリープを中心とした岩石の時間依存性に関する過去の研究を調査した.ついで,岩石試料の一軸圧縮応力下でのクリープ実験と応力緩和試験をおこない,岩石試料の時間依存性に関する基礎データを採取した.不連続面の時間依存性を調べる方法として,応力一定(クリープ)と歪一定(応力緩和)の2つの実験方法を検討した.2つの方法は圧縮応力下や引っ張り応力下でしばしば用いられておりともに有力であったが,今回は歪一定の条件下で実験を行うことにした.その結果,不連続面に加えた歪が一定にも関わらず,せん断応力が時間の経過にともない徐々に低下することが判明した.
従来の岩石の時間依存性実験結果を合わせて検討し,時間依存性を考慮したジョイント要素を提案した.新しいジョイント要素の開発・提案にあたっては従来のジョイント要素との互換性を重視した.提案したジョイント要素は,従来どおりばねからできているが,ばね常数が時間の経過に伴い順次低下していくものとした.さらに,この時間依存性を再現できるジョイント要素を組み込んだ有限要素法プログラムを開発したので付録として本報告書に添付した.
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