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1997 年度 実績報告書

モリブデンブルーブロンズなどからのソフト化学による機能性材料の創製

研究課題

研究課題/領域番号 07455440
研究機関山梨大学

研究代表者

木野村 暢一  山梨大学, 工学部, 教授 (50029732)

研究分担者 熊田 伸弘  山梨大学, 工学部, 助教授 (90161702)
キーワード層状化合物 / インターカレーション / ブルーモリブデンブロンズ / 銅モリブデンブロンズ / n-アルキルアミン / 有機塩基 / 酸素欠陥 / 電荷密度
研究概要

本研究においては、同一結晶構造内に物理的・化学的に異質な構成要素を原子・分子レベルで積み木を重ねるように組み合わせることを可能にするソフト化学的な手法を用い、多彩な電気・磁気的性質を持つ遷移金属層状化合物をホストとするインターカレーション化合物を合成し、ホストとゲストが異なる機能を分担するような機能性材料の合成を試みる。
前年度までにブルーモリブデンブロンズ、K_<0.28>MoO_3(BMB)、および銅モリブデンブロンズ、Cu_xMoO_3(CMB)、につき研究を行い、類似した層状構造にも関わらず両者ではアルキルアミンのインターカレーションに対する挙動は大きく異なることを見出した。しかし層間における有機分子の配列状態を制御することが困難であったため、広い範囲で電荷密度が制御でき、したがって層間における有機分子の配列状態を制御することができる層状化合物の探査と電荷密度制御の効果の確認を本年度行った。
HTaWO_6nH_2Oは、高い電荷密度を持った層状化合物であるが、Cs^+イオンとのイオン交換により得られるH_<1-x>Cs_xTaWO_6nH_2Oを熱処理することにより酸素欠陥を導入し、さらにH^+でイオン交換することによりH_<1-y>TaWO_<6-y/2>nH_2Oへとすることにより層間のH^+を減少することができた。酸素欠陥を導入するという全く新しい方法により、層間のH^+の占める面積は11から48Å^2へと増加し、同じ基本的構造を持ちながら層間の陽イオン量が変化できる幾つかの化合物の中では最も広い範囲で変化できることがわかった。層の持つ電荷密度の減少により、インターカレーションされる有機塩基の量、それらの層間での配列、および固体酸としての強さが大きく変化した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Suzuki: "Cointercalation of Organic Bases into Aluminium Dihydrogen Triphosphate-I" Phospho.Res.Bull.6. 233-236 (1996)

  • [文献書誌] N.Kinomura: "Soft Chemical Modification of Blue Potassium Molybdenum Bronze" J.Solid State Chem. 128. 256-260 (1997)

  • [文献書誌] 張 無限: "リンイオンに対するパイロライト系化合物の陰イオン交換特性" 無機マテリアル. 4. 132-138 (1997)

  • [文献書誌] N.Kumada: "Preparation and Crystal Structure of K_6Nb_<10.9>O_<30>" Eur.J.Solid State Inorg.Chem.34. 65-72 (1997)

  • [文献書誌] N.Kumada: "Preparation and Crystal Structure of New Potassium Niobium Oxides : K_2M_2Nb_4O_<13>(M=Mg,Fe)" Mater.Res.Bull.32. 559-567 (1997)

  • [文献書誌] N.Kumada: "Preparation and Crystal Structure of ABi_2O_6(A=Mg,Zn) with the Trirutile-Type Structure" Mater.Res.Bull.32. 1003-1008 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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