1.アブラナ科近縁野性種を用いた5種類の遺伝質変換系統(人為複二倍体、有用遺伝子導入、異種細胞質、異種染色体添加、相互染色体置換)の育成を試み、その遺伝育種学的利用を展望し、Matsuzawa et al. 1996(宇都宮大学農学報16)に取り纏めた。 2.ダイコンとSinapis属との交雑で後代系統を育成し、Banget al. 1996(Breed. Sci. 46)の論文を発表した。 3.カンラン類1染色体添加型ダイコンの有用形質(TuMV抵抗性)の遺伝様態をあきらかにし、Kaneko et al. 1996(Breed. Sci. 46)の論文として印刷中である。 4.ダイコンとMorikandia属との交雑後代で遺伝質変換系統を育成し、Bang et al. 1996(Plant Breed.)の論文を投稿し、受理された。 5.アブラナ科植物の体細胞染色体の識別、同定するため、ギムザ染色法で染め分けし、添加染色体の解析をすすめた。また、FISH法による特定遺伝子領域の解析等について実験をすすめている。 6.サザン・ブロット分析によって、細胞質遺伝質の異同を調査し、異種細胞質植物のなかに、花弁化型雄性不稔系統を発見した。 7.雑種植物の作出とその後代の育成をおこない、新たな遺伝質変換系統の育成をすすめている。
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