研究概要 |
RFLP地図は利用場面が多いが,日本型イネの間でのRFLP地図の利用は皆無といった状況である.そこで,本研究では,「日本型イネ間のDNA多型検出とマップの作成」を計画した.本年度に得られた結果の概要は次のようなものである. 前年度の結果に加えて,日本型品種「台中65号」と「日本晴」の間で,RAPDおよびRFLPの検出を行い,日本型マーカーの集積を図った.その結果,64個のRAPDマーカーと12個のRFLPマーカーを同定した.「台中65号」と「日本晴」の交配F_2を用いて連鎖分析を行った結果,合計66マーカー(RAPDマーカー57個,RFLPマーカー9個)からなる13個の連鎖群が得られた.このうち12個の連鎖群については,座乗染色体がわかっているRFLPマーカーとRAPDマーカーとを介して、染色体2と7を除く10本の染色体に対応することがわかった. 次に,得られたRAPDマーカーを用いて福岡県農業総合試験場で維持管理している日本型水稲20品種の簡易識別を試みた.その結果,6個のRAPDマーカーにより20品種の識別を行うことができた.また,同一20品種の葉から簡易抽出したDNAを用いても,これらのRAPDマーカーにより識別可能なことがわかった. 一方,日本型品種の恒久的マップ集団として,「日本晴」と「台中65号」の交配から単粒系統法で組換自殖系統群を育成を進めた.本年度はF_5,F_6世代を育成した.
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