研究概要 |
(1)アグロバクテリウムTPUシリーズの細菌学的性質:定法(60項目)によりTPU菌株の細菌学的性質について検討した結果,TPU-50,-54,-55,-57の4菌株はアグロバクテリウム属細菌のbiovar2の細菌学的性質とほぼ一致し,他のTPU-1,-2,-13,-14,-19,-20,-25,-28,-29,-31,-33,-40,-44,-45,-48,-49の16菌株はアグロバクテリウム属以外の細菌であると判断された。 (2)TPUシリーズのプラスミドDNAの性質:制限酵素断片のサザン分析の結果から,既知のアグロバクテリウムのサザンのパターンとも異る約5種のFDNA型に分類できることが明らかになった。、また,PCR法によってrol遺伝子の増幅を試みたところ,TPU-1,-18,-28,-33等でrolBまたはrolCに対するハイブリダイゼーションでも陽性のバンドが認められた。さらに,4菌株由来のrolB遺伝子のPCR産物の塩基組成を調べたことろ,国外菌A4とほぼ同じ配列を示した。 (3)形質転換体の作出:形質転換組織(タバコ)から植物体の再生を試みたところ,TPU-16感染組織から植物体の再生が認められ,TPU-19のベクターとしての有用性が示唆された。 (4)新しいベクター系の開発:(1)に示した16菌株のベクターとしての新規性が示唆された。
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