研究概要 |
(1).種子繁殖用サツマイモ(品種:ビッグワン)を用い,TPU-Y57、TPU-W57,TPU-オ試57,TPU-B58の4菌株の形質転換能について検討した。 (2).4菌株の生物学的特徴について検定したところ,供試菌株全てがAgrobacterium tumefaciensと同定され,オピン型はミキモピンであった。 (3).4菌株のサツマイモ胚軸における形態形式能力について調査したところ,全ての菌株で接種約50日目でカルス,不定根ならびに不定芽の発生が観察された。主要な結果は次の通りであった。 a).TPU-Y57菌株.45個体の胚軸切片に接種したところ,ほぼ全ての接種部位にカルスの形成,不定根の発生が著しく認められた。とくに,不定根の数では,個体当たり15本以上の発生個体も認められた。しかし,不定芽(幼植物体)の発生個体は2個体のみであった。 b).TPU-W57菌株.本菌株も45個体の胚軸切片に接種したところ,カルスの形成,不定根ならびに不定芽の発生能力はTPU-Y57菌株に比べて劣った。不定根と不定芽の発生個体は,前者では25個体,後者では1個体のみであった。 c).TPU-オ試57菌株.36個体に接種したところ,ほぼ全ての個体にカルスの形成ならびに不定根の発生が著しく認められた.不定芽は1個体のみで発生が認められた。 d).TPU-B58菌株.18個体に接種したところ,不定根と不定芽の形成は4個体のみで認められた。以上,不定芽(幼植物)を培養・順化し,それらの形質転換体作物の生理的機能について調査を進めた。
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