研究概要 |
1.供試材料は、新たに園芸品種および外国種の8サンプルを収集した。 2.花色と花色素の調査1)生花弁の花色を,日本園芸植物色票と色差計を用いて調査を行った。その結果,両方法による色相は平成7、8年度に調査したサンプルの範囲内に分布した。2)アントシアニン組成は、アントシアニジンの同定とともにHPLCを用いて分析を行った。平成7、8年度に調査したサンプルも加えて詳細に検討した結果、供試材料はアントシアニン組成について6タイプに分けられた。青色系では、デルフィニジン系色素からなる3タイプと、デルフィニジン系とシアニジン系の両色素からなる2タイプ、ピンク色系ではシアニジン系色素からなる1タイプであった.3)青色系の品種および系統の多くはデルフィニジン系色素からなる1タイプに属した。このタイプの品種についてアントシアニンの精製と同定を行った。その結果、4種類のアントシアニンが精製、同定され、そのうちゲンチオデルフィンが最大含有率を示した。4)花色と花色素の遺伝様式の調査では、実生個体数の少ない交配組合せを中心に再度、交配を行い、採種した。これまでに得られた実生植物は本年度内には開花に至らず、本調査の供試材料の準備に留まった。3.細胞学的調査については平成7、8年度の調査結果を取りまとめた。
|