研究課題/領域番号 |
07456024
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
勝屋 敬三 筑波大学, 農林学系, 教授 (40015863)
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研究分担者 |
今津 道夫 筑波大学, 農林学系, 助手 (30261770)
山岡 裕一 筑波大学, 農林学系, 助教授 (00220236)
柿島 真 筑波大学, 農林学系, 助教授 (40015904)
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キーワード | ダイズさび病 / Phakopsora pachyrhizi / ダイズ / クズ / 病原性レース / 生態 / 分類 |
研究概要 |
1.今年度は、新たに岡山県、愛媛県、高知県、福岡県においてダイズまたはクズ葉上で発生したダイズさび病菌(Phakopsora pachyrhizi)の夏胞子を採集することができた。それらの菌系はディープフリーザ-(-80℃)で保存し、順次単夏胞子堆分離を行った。 2.昨年度までに茨城県、千葉県、静岡県、熊本県においてダイズまたはクズ葉上で採集したダイズさび病菌の菌系については、単夏胞子堆分離を行い判別品種に接種し、病原性レースの判定を行った。その結果、新たに病原性の異なる4レースが存在することが明らかになった。そのうち1レースは、AVRDC(1985)が明らかにした台湾産ダイズさび病菌9レースのうち1レースと共通の感染型を示した。また、熊本県と千葉県で共通のレースが分布していたこと、ダイズ上とクズ上で同一のレースが存在していたことが明らかになった。これら4レースの菌株の夏胞子はディープフリーザ-で保存している。 3.茨城県、神奈川県、千葉県で採集されたダイズ、クズまたはツルマメ上の本菌の夏胞子および冬胞子の標本を用い、形態観察を行った結果、いずれの標本もOno et al.,(1992)のP.pachyrhiziの記載と一致した。そのため、これらの菌をOno et al.,(1992)の分類体系に従いP.pachyrhiziと同定した。 4.野外で越冬処理を行った冬胞子を発芽させて得た担子胞子を用いてダイズ、ツルマメおよびアワブキに対して接種試験を行ったが、感染は認められず、本菌の生活環を明らかにすることはできなかった。
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