1.殺虫剤抵抗性および感受性ヒメトビウンカからのエステラーゼの分離精製について、感受性系統からは酵素活性が低く分離精製できなかったが、抵抗性系統の鳴門および諫早系統からは、アセトン処理、硫安分画、クロマトフォーカシング、陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過、等電点電気泳動法により、それぞれ2種および3種、計5種のエステラーゼアイソザイムを分離精製した。これらのエステラーゼアイソザイムはいずれもアリエステラーゼ活性とマラソンカルボキシルエステラーゼを示し、アイソザイム間での比活性の違いはなかった。 2.これら分離精製したエステラーゼアイソザイムの生化学的および物理化学的性質を調べたところ、Km値、Vm値、Kcat値、最適pHを調べたところエステラーゼアイソザイム間では違いは認められなかった。またこれらエステラーゼアイソザイムの分子量は、等電点の違いにも関わらず鳴門系統では40Kda、諫早系統では66Kdaであった。 3.また、これらエステラーゼアイソザイムのN末端アミノ酸配列は、いずれもH-N-T-A-P-と同一であった。
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