研究課題/領域番号 |
07456033
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永田 昌男 東京大学, 農学部, 助教授 (70107407)
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研究分担者 |
尾崎 正孝 東京大学, 農学部, 助手 (00270893)
嶋田 透 東京大学, 農学部, 助教授 (20202111)
小林 正彦 東京大学, 農学部, 教授 (60162020)
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キーワード | 家蚕 / ウイルス / 感染 / 核多角体病ウイルス / NPV |
研究概要 |
1)核多角体病ウイルスの増殖性をカイコ幼虫発育の各時期で比較したところ、対数増殖期における増殖直線の勾配には差異がなく、ウイルスが血液中に多量に出現するに至るまでの、病徴が現れない潜伏期の長さが異なっていることが判明した。このことは、宿主昆虫の感受性が発育時期によって異なる現象をもとに従来から推測されてきた、ウイルス増殖に関与する宿主因子はウイルス増殖の初期過程に存在することを意味すると判断された。2)家蚕由来の培養細胞株において、核多角体病ウイルスの感受性を比較ところ、BmN細胞株に比べ130株は感受性が1/10-1/100程度低く,ウイルスの増殖性が劣っていることが判明し、ウイルス感染・増殖過程での宿主細胞の関与がうかがえた。また、両細胞株で多角体形成にも差異がみられた。130株では多角体形成が少なく、これはポリヘドリン合成が少ないことに起因することが確認された。3)核多角体病ウイルスのウイルス粒子複製と多角体形成の関係を調査した。すなわち、培養細胞においてウイルスの多重感染度や細胞密度を変化させて感染実験を行った結果、両者は必ずしも並行していないことが明らかになった。ウイルス粒子複製と多角体タンパク質形成には宿主因子の関与があり、それは異なる因子であると推定された。また、倍地の栄養条件による差異もみとめられ、栄養的な因子の関与も推測された。
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