研究課題/領域番号 |
07456034
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
木口 憲爾 信州大学, 繊維学部, 教授 (50262697)
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研究分担者 |
小林 勝 信州大学, 繊維学部, 助手 (10021164)
金勝 廉介 信州大学, 繊維学部, 助教授 (60092871)
三浦 幹彦 信州大学, 繊維学部, 教授 (60135168)
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キーワード | カイコ / エビガラスズメ / テンサン / 吐糸 / 営繭行動 / 内分泌 / コンピューターグラフィックス |
研究概要 |
吐糸中のカイコを2台のテレビカメラで撮影し、3DCG解析により、吐糸・営繭中の幼虫の行動領域の縮小過程および蚕体の収縮運動の大きさと頻度の経時変化を明らかにした。本研究により、蚕体の収縮運動は繭形にくびれを生じる要因の一つである可能性が示唆された。 一方、吐糸幼虫の体節に軽くテープを巻き付けて体節運動に制約を与えると、繭の大きさおよび形が顕著に変化し、実験的に繭形を制御できることが明らかになった。用いるテープの幅、テープを巻く部位と繭の形および大きさとの関係が明らかになり、現在テ-ピングした幼虫の吐糸行動を連続記録し、3DCGによりテ-ピング処理と行動変化および繭形発現との関連性を追究中である。また、テ-ピングによって吐糸速度が遅れると共に、蛹化時期がかなり遅延することが明らかになった。同様に、熟蚕の中枢神経系を切断すると蛹化が著しく遅延することから、テ-ピングが自己感受器官(proprioceptor)を介して脳・アラタ体系からの前胸腺刺激ホルモン(PTTH)の分泌に影響を及ぼしている可能性が示唆された。 さらに、吐糸・営繭行動における脚肢の役割を解明する目的で、胸脚および腹脚を結さつもしくは焼却切除し、繭形形成に及ぼす影響を調べた。その結果、少数の脚肢を切除した場合は、欠損脚肢の機能を残存脚肢が補償しあい繭形にはほとんど影響がみられないが、切除脚肢が増加するにつれ繭の対称性が崩れることが明らかになった。現在。吐糸幼虫の体形保持、とくに体の移動および固定と脚肢の機能との関係を追究中である。
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