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1996 年度 実績報告書

マイクロボディ機能分化の可逆性

研究課題

研究課題/領域番号 07456053
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

西村 幹夫  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80093061)

研究分担者 林 誠  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (50212155)
キーワードマイクロボディ / C末端輸送シグナル / N末端輸送シグナル / 形質転換植物 / 機能転換 / グリオキシゾーム / 緑葉パーオキシゾーム
研究概要

マイクロボディ機能変換におけるタンパク質のオルガネラ膜透過の調節を明らかにするため、β-グルクロニターゼにリンゴ酸合成酵素のC末端10あるいは5アミノ酸を結合させたキメラ蛋白質を発現させた形質転換アラビドプシスを作成し、β-グルクロニターゼの細胞内局在性を解析した。その結果、リンゴ酸合成酵素のC末端5アミノ酸が、マイクロボディへの移行に機能していることが判明した。このC末端にアミノ酸変異を生じさせたキメラタンパク質を発現させ、同様の方法を用いて細胞内局在性を解析した結果、C末端アミノ酸配列[A/C/S/P]-[K/R]-[I/L/M]がマイクロボディへの輸送シグナルとして働くことが、初めて明らかにされた。アラビドプシスの植物体の各組織では各々機能の異なるマイクロボディが存在する。機能の異なるマイクロボディにおいても、この輸送シグナルが機能するか否かを調べるために、アラビドプシスの黄化子葉、緑葉、根の組織を用いて、キメラタンパク質の局在を解析した。マイクロボディは黄化子葉ではグリオキシゾーム、緑葉では緑葉パーオキシゾーム、根では特殊化していないマイクロボディとして機能している。この結果、いずれの組織においても、リンゴ酸合成酵素のC末端配列が輸送シグナルとして働くことが判明した。又、前年度に解析したクエン酸合成酵素のN末端延長配列も、同様にすべてのマイクロボディの輸送シグナルとして働くことが明らかとなった。
これらの結果は、マイクロボディへの輸送シグナルが、異なったマイクロボディ間でも保存されていることを示すとともに、マイクロボディ機能変換に、輸送シグナルの変化がかわっているという可逆性を初めて打ち消すものとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hayashi,M.: "Pumpkin hydroxypyruvate reductases with and without a putative C-terminal signal for targeting to microbodies may be produced by alternative splicing." Plant Mol.Biol.30. 183-189 (1996)

  • [文献書誌] Yamaguchi,K.: "cDNA cloning for thylakoid-bound ascorbate peroxidase in pumpkin and its characterization." Plant Cell Physiol.37. 405-409 (1996)

  • [文献書誌] Hayashi,M.: "Transport of chimeric proteins containing carboxy-terminal targeting signal into microbodies of transgenic Arabidopsis." Plant J.10. 225-234 (1996)

  • [文献書誌] Kato,A.: "cDNA cloning and expression of a gene for 3-ketoacyl-CoA thiolase in pumpkin cotyledons." Plant Mol. Biol.31. 843-852 (1996)

  • [文献書誌] Kato,A.: "Targeting and processing of a chimeric protein with the amino-terminal presequence of the precursor to glyoxysomal citrate synthase." Plant Cell. 8. 1601-1611 (1996)

  • [文献書誌] Koumoto,Y.: "Isolation and characterization of a cDNA encoding mitochondrial chaperonin 10 from Arabidopsis thaliana by functional complementation of an E.coli mutant." Plant J.10. 1119-1125 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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