研究課題/領域番号 |
07456063
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安本 教傳 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (50026514)
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研究分担者 |
谷 史人 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (70212040)
小関 佐貴代 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (70230315)
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キーワード | 老化 / ストレス / ストレスタンパク質 / HSP70 / HSP32 / ヘムオキシゲナーゼ / 酸化ストレス |
研究概要 |
月齢の異なる老化促進モデルマウス(SAM)の臓器中HSP70量を電気泳動およびイムノブロッティング法によって定量した。肝臓および脳内HSP70量は、SAMP1//Fky(SAMP1)、SAMR1/Fky(SAMR1)ともに加齢に伴って増加し、12ヶ月齢のマウスでは、SAMP1はSAMP1より有為に高い値を示した。これらのことから、HSPの誘導はストレスに対する一過性の応答であると言われてきたが、加齢という連続的かつ緩慢なストレスに対してもHSPの誘導を持続的に行うことが示唆された。一方、全身熱ストレスを与えられたマウスの肝臓および心臓において、HSP70の誘導は、SAMP1、SAMR1ともに2ヶ月齢および7ヶ月齢では顕著に高値であったが、SAMP1の12ヶ月齢、SAMR1の17ヶ月齢マウスでは、若齢マウスに比べ低値を示した。環境因子によるストレスに対する応答力が加齢に伴って低下していることが明らかになった。次に、最近、酸化ストレスの指標として注目されているHSP32量を測定した。通常は、極微量にしか存在しない誘導型HO-1は検出できなかったが、ストレスによる誘導が報告されていない構成型HO-2は、SAMP1では7ヶ月令、SAMR1では12ヶ月齢で最高値を示し、寿命に達する時点ではやや低下した。HSP32は、ヘムオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質であることが知られている。そこで、様々な金属の臓器中含有量を測定した。銅などの多くの金属は、加齢に伴う変動はほとんど認められなかったが、鉄は老化過程において含有量が変動した。その変動パターンは、HSP32量の変動パターンと類似していた。今後は、このようなストレス応答が加齢にともなって変動する機構を明らかにするために酸化傷害とHSP32という観点から実験を行う。
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