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1997 年度 実績報告書

ハイマツ・ハッコウダゴヨウ・キタゴヨウの繁殖戦略に関する生態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07456066
研究機関筑波大学

研究代表者

荒木 眞之  筑波大学, 農林学系, 助教授 (80193077)

研究分担者 石塚 森吉  農林水産省, 森林総合研究所・生産技術部・物質生産研究室, 室長
内田 煌二  筑波大学, 農林学系, 助教授 (10015670)
キーワードハイマツ / アロザイム / RFLP / ミトコンドリアDNA / 遺伝的変異 / 集団間分化 / 花粉散布 / 種子散布
研究概要

多くの針葉樹のオルガネラDNAの遺伝様式は葉緑体が父性遺伝であり、ミトコンドリアが母性遺伝である。よって、核DNAの遺伝的変異とオルガネラDNA間の遺伝的変異とを比較することで、その種の種子散布能力や花粉散布能力が遺伝的変異に与える影響を明らかにすることができる。ハイマツは風媒花粉を作るので、葉緑体DNAや核のDNAは広く散布されると考えられる。一方、ハイマツの種子はホシガラスなどの動物によって散布され、その散布距離や量などの種子散布能力は明らかではない。そこで、ミトコンドリアDNA(mtDNA)の遺伝的変異を明らかにし、既に分析を終了したアロザイム分析の結果(核DNAの遺伝的変異)との比較を行った。
多型のスクリーニングとして、アロザイム分析で供試したものと同じ針葉から全DNAを抽出し18制限酵素で切断後、電気泳動を行いメンブレンにブロットした。PCRで増幅したmtDNA上の7遺伝子をプローブとして、ハイブリダイゼーションを行い126組み合わせ中6組み合わせで制限酵素断片長多型(RFLP)を検出した。多型は全てatpA遺伝子をプローブとしたときであった。次に、アロザイム分析と同じ18集団から約20個体づつ供試し、atpA/EcoRIおよびatpA/StyIにおいてハプロタイプを決定した結果、集団内のハプロタイプの多様性は高く(H_S=0.453)、集団間の差異は比較的小さいことが明らかになった(G_<ST>=0.143)。mtDNAの集団間差異はアロザイム分析の結果より大きくなることが期待されるが、アロザイム分析の結果では集団間の遺伝的差異はmtDNAのそれより大きかった(G_<ST>=0.170)。これは、mtDNA上の領域(atpA周辺)の多様性が非常に高いことによると考えられる。そこで、今後、この領域の多様性の高い原因の解析や、他の領域の多様性を分析を行う必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tani,N.et al.: "Genetic structure within a Japanese stone pine (Pinus pumila Regel) population on Mt.Aino-dake in central Honshu,Japan" Journal of Plant Research. Vol.110(印刷中). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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