研究課題/領域番号 |
07456066
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
荒木 眞之 筑波大学, 農林学系, 助教授 (80193077)
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研究分担者 |
石塚 森吉 農林水産省, 森林総合研究所・生産技術部・物質生産研究室, 室長
内田 煌二 筑波大学, 農林学系, 助教授 (10015670)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | ハイマツ / キタゴヨウ / ハッコウダゴヨウ / 遺伝的多様性 / 集団間分化 / 浸透交雑 / 花粉散布 / 種子散布 |
研究概要 |
わが国のハイマツ18集団、ゴヨウマツ・キタゴヨウ16集団の約50個体から採取した当年生針葉についてアロザイム分析を行い、ハイマツでは19遺伝子座、ゴヨウマツ・キクゴヨウでは11遺伝子座を推定し、遺伝的変異を測定した結果、以下の事柄を明らかにした。 ハイマツ及びゴヨウマツ・キタゴヨウは、集団内に高い遺伝的変異を保有していた。また、ハイマツの集団間には高い遺伝的差異が見られ、集団内の遺伝的変異は北高南低のクラインが形成されていた。しかし、ゴヨウマツ・キタゴヨウでは集団間の遺伝的差異は小さかった。東北地方では頻度が低い対立遺伝子を多数検出したが、西南日本ではその数は少なかった。-方、ハイマツの同集団の個体のDNAを制限酵素で消化し、ミトコンドリアDNA上のatpA遺伝子をプロープとしてサザンハイプリダイゼーションを行い多型を検出した結果、atpA/EcoRIおよびatpA/StyIにおいてハプロタイプを検出し、集団内のハプロタイプの多様性は高く(HS=0.453)集団間の差異は比較的小きいことを明らかにした(GST=0.143)。 飛騨山脈立山において連続的に分布するハイマツ・ハッコウダゴヨウ・キタゴヨウの針葉をサンプリングし、RELP・アロザイム分析を行ったところ、アロザイムの対立遺伝子のクラインを検出した。このことはハイマツ・キタゴヨウ問で浸透交雑が起こっていることを示唆している。 赤石山脈間ノ岳南斜的ハイマ群落に18m×38mの調査区を設け、この中に2m毎の格子を設定し、その格子状の200地上幹から採取した当年生針葉について、アロザイム及びDNAマーカーを用い全地上幹の遺伝子型(表現型)を明らかにして自己相関解析を行い、以下の事柄を明らかにした。同一遺伝子型(表現型)を持つ地上幹の集まりを検出した。また、それそれの対立遺伝子(表現型)は近距離に集合していた。以上のように、伏条更新や動物による貯食行動は遺伝的な構造を発達させる要因であると考えられる。
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