研究概要 |
本年度は、ヤシャブシとシラカンバにおいて、葉肉細胞からプロトプラストを単離、培養し、コロニーおよびカルスを誘導した。さらに、得られたカルスを培養することによって、シュートおよび根を誘導した。 ヤシャブシにおいては、1%セルラーゼオノズカRSと1%ドリセラーゼを組み合わせた酵素溶液を用いて、90%以上の高い生存率を持つプロトプラストが5X10^7個/gの高い収率で得られた。プロトプラストをBAP(0.1-10μM)と2,4-D(0.1-30μM)あるいは4-Pu(0.1-10μM)と2,4-Dを組み合わせて添加したMS培地(NH_4NO_3を除く)で培養し、コロニーを誘導した。さらに、0.1μM BAPと1μM2,4-Dを含む1/2MS培地でカルスを誘導し、根を誘導した。さらにシュートを誘導するために継代培養中である。 シラカンバにおいては、1%セルラーゼオノズカR-10と1%ドリセラーゼ酵素液を用いて、80%以上の高い生存率を示すプロトプラストが5X10^7個/gの収率で得られ、0.1-30μM4-Puと0.1-10μM NAAあるいは0.1-30μM2,4-Dを組み合わせて添加した1/2MS培地でプロトプラストを培養し、コロニーを誘導した。さらに、1μMのNAAと4-Puを含む1/2MS培地でカルス誘導し、1μM4-Puあるいは10μM zeatinを含む1/2MS培地で培養してシュートを誘導した。また、葉肉プロトプラスト由来カルスおよび液体培養細胞から分化したシュートを2.5μM IBAと0.1μM NAAを含むMS培地に移植して幼植物体を再生させた。 現在、得られた幼植物からプロトプラストを調製して細胞融合条件を検討しているところである。
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