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1995 年度 実績報告書

強酸性黒色土の生成機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07456068
研究種目

一般研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

八木 久義  東京大学, 農学部(林), 教授 (80191089)

研究分担者 春田 泰次  東京大学, 農学部(林), 助手 (20012081)
芝野 博文  東京大学, 農学部(林), 講師 (00143412)
小島 克己  東京大学, アジア生物資源環境センター, 助教授 (80211895)
丹下 健  東京大学, 農学部, 助教授 (20179922)
キーワード火山灰母材強酸性黒色土 / 微細粒子状腐朽層 / 有機酸 / 一次鉱物組成 / 鉱山煙害跡地土壌 / 亜硫酸ガス / 置換酸度 / PH
研究概要

埼玉県の鷲の宮及び玉敷神社軽境内において、火山灰母材の強酸性黒色土を計5断面調査した。有機物層を含む各層から採取した45個の未攪乱土壌試料を風乾後、真空含侵装置により不飽和ポリエステル樹脂を注入して固結させ、ダイヤモンドカッターで切断後自動薄片研磨装置で薄片化し、ガラス研磨版で25〜30μの厚さに仕上げた土壌薄片を、偏光顕微鏡下で観察した。その結果、両境内林に分布する強酸性を呈する黒色土壌の各層には、しそ輝石、普通輝石、長石類、軽石、スコリアなどが認められることから、それらの土壌は複輝石安山岩質火山灰を出発物資として発達したものであること、及びそれらの一次鉱物の分解変質の程度は、土壌の酸性度が極めて強いにも拘らずそれ程進んでいないこと、などを明らかにした。また、強酸性を示す鉱質土層の表面に堆積する有機物層のうち、鉱質土層を直接被覆している腐朽層(F層)は、極めて微細な粒子状構造示した。そのような特異な構造を示す腐朽層からどのような種類の有機酸が生成されるのか、新規に購入したイオンクロマトグラフィを用いて検討中である。
さらに、酸性雨の主な原因物資の一つである亜硫酸ガスにより、火山灰母材の黒色土が酸性化した例として、秋田県の小坂鉱山の煙害激害地と微害地跡地において土壌を計10断面調査し、理化学的および微細土壌学的性質を分析するための一般及び未攪乱土壌試料を採取した。科学的分析の結果、煙害跡地の火山灰に由来する黒色土の表層3cm部分は、いずれもその下層土よりpHが低く置換酸度(y_1)が大きいなど、強く酸性化していることを明らかにした。目下、有機物堆積層で生成される腐植酸がそれらの土壌の酸性化に及ぼす影響に関する研究や、微細土壌学的研究のための土壌薄片の作製を進めている。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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