研究課題/領域番号 |
07456072
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神崎 康一 京都大学, 農学部, 教授 (20026404)
|
研究分担者 |
吉村 哲彦 京都大学, 農学部, 助手 (40252499)
鈴木 保志 高知大学, 農学部, 助教授 (20216451)
沼田 邦彦 京都大学, 農学部, 助教授 (30026405)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
キーワード | 高密度路網 / 流出率 / 法面 / 舗装 / タンクモデル / シミュレーション / 林道 / 排水 |
研究概要 |
本研究では、高密度路網時代の適正な林地の維持管理のために、舗装路面による雨水の誘導排水効果について検証を行った。 法面や路面からの流出量の観測を行った結果、法面からの全流出率は、平均値で1995年度が5.46(%)、1996年度が8.30(%)という結果になった。本研究では、重回帰分析の結果、林道の法面からの流出においては、1時間最大雨量強度が流出率に大きく関与していることが明らかになった。先行降雨の有無の偏回帰係数も有意であり、先行降雨があった場合の方が、法面からの流出率が高くなることも示された。流出成分別に見ると、中間流の流出はかなり不規則であり、1996年度はほとんど流出しなかった。地表流の流出率を、地表流の観測法面から尾根までの矩形斜面(5m×30m)への降雨量に対する流出率でみると、その平均は0.045(%)と極めて低かった。 一方、林道路面からの流出率は概ね20(%)〜50(%)で、平均すると39.4(%)であった。法面の全流出率に比べると、路面の流出率の値は概ね高くなった。 林値における水の流れをタンクモデルによってモデル化し、コンピュータシミュレーションによって解析した結果、舗装、未舗装の違いによって路面からの流出量は大きく異なっていた。舗装の有無に比べると、側溝の有無による路面からの流出量の違いは比較的小さく、路面による雨水の誘導排水を考えた場合、舗装を行うことが有効であることが示された。側溝はたびたび土砂で埋まり、それによって水が思わぬ場所・方向へ排水される危険性があることから、舗装した林道の路面で誘導排水を行えば側溝は必要がないと言える。
|