研究課題/領域番号 |
07456090
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
谷口 順彦 高知大学, 農学部, 教授 (20036742)
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研究分担者 |
岩崎 望 高知大学, 海洋生物教育研究センター, 助教授 (20193724)
関 伸吾 高知大学, 農学部, 助教授 (20216518)
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キーワード | 魚類 / DNA / アイソザイム / ミニサテライト / マイクロサテライト / DNAフィンガープリント / RAPD法 / 遺伝的多様性 |
研究概要 |
本年度の研究業績は以下のようにまとめられる。 1.マダイ人工種苗5集団および野生1集団を用い、昨年度得られた5つのマイクロサテライト遺伝子座について検討した。5つの遺伝子座における変異性のレベルは、人工種苗5集団で対立遺伝子数が5〜22、ヘテロ接合体率が0.659〜0.942となり、顕著な多型性を示した。一方、野生集団では対立遺伝子数が13〜26、ヘテロ接合体率は0.762〜0.928であり、人工集団に比べやや高い値を示した。特に、継代数の多い人工種苗2集団で5つの遺伝子座の平均対立遺伝子がそれぞれ7.4および9.4、平均ヘテロ接合体率がそれぞれ0.669および0.786となり、変異性の減退が認められた。マイクロサテライト遺伝子座におけるこのような結果は、遺伝的多様性の評価においてこの遺伝標識の利用性の高さを示唆した。 2.稚仔魚から成熟個体まで群れを形成するゴンズイ(Plotosus lineatus)は生活史の初期には一腹子からなる群れを構成し、成長に伴い群れの再編成により個体が入れ替わり、遺伝的に多様になることが予想される。そこで、このことを検証するため群れ内の遺伝構造について、多型の認められたアイソザイム遺伝子座であるCK^*を用いて検討した。その結果、体長の小さい群れはそれぞれ一腹子に近いが、成長に伴いそれぞれの群れにおいて混合が生じ、各群れの遺伝的構造が任意交配集団に近づくことが明らかにされた。
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