研究課題/領域番号 |
07456090
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
谷口 順彦 高知大学, 農学部, 教授 (20036742)
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研究分担者 |
岩崎 望 高知大学, 海洋生物教育研究センター, 助教授 (20193724)
関 伸吾 高知大学, 農学部, 助教授 (20216518)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | マイクロサテライトDNA / 遺伝的多様性 / 絶滅危惧種 / マダイ / ゴンズイ / 近親交配 |
研究概要 |
3カ年の研究成果は以下の通りである。 1.野生集団の保全のための遺伝学的診断指針の確立を目指して、生物集団内の遺伝的多様性の定量法の開発を試みた。遺伝的多様性の定量用遺伝マーカーとして、主としてマダイのマイクロサテライト領域とその周辺域のDNAシークエンシングを行い、シングルローカス検出用プライマーを設計し、実際の検出条件を検討した。 2.ミニサテライト部位の変異を検出するマルチプルローカス法はマダイのクローン集団の識別に応用できること、マイクロサテライト部位の変異を検出するシングルローカス法は極めて近縁性の高いマダイ地域集団間の遺伝的分化の検出に有効であることを確認した。 3.有用魚種のDNA変異レベルの定量的研究として、マダイのマイクロサテライトDNAの養殖用人工種苗の変異保有水準が野生集団のそれに比べ、減退していることを確認し、ヘテロザイゴシチ-の低下の程度にもとづき、養殖集団の近交係数を推定した。 4.マダイ人工種苗における集団の有効な大きさ(Ne)を推定するため、マイクロサテライトDNAマ-カ一により親子鑑定を行い、人工種苗の生産に実際に関与した親魚の数を推定した。性比や各親魚が残した子供の数の偏りにようる影響を修正したところ、非継続的採卵において要求される親魚数の基準を辛うじて確保されていたことが判明した、 5.遺伝マーカーの生態研究への応用例として、ゴンズイ稚魚群の再編成に関する実験的研究がおこなわれ、稚魚群の遺伝的均質性と成魚の遺伝的変異の拡大現象および群の再編成の過程がトレースされた。幼魚では捕食者からの逃避という適応的利益が群形成の要因となり、成魚では近親交配を避けるため群内の個体が入れ替わるという推論を行うなど、魚類の群れ行動の適応的意義について考察した。
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