研究課題/領域番号 |
07456097
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
奥谷 康一 香川大学, 農学部, 教授 (00036013)
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研究分担者 |
茂田 士郎 福島県立医科大学, 教授 (00045634)
松田 政広 香川大学, 農学部, 助手 (50253258)
岡埼 勝一郎 香川大学, 農学部, 教授 (60109733)
門谷 茂 香川大学, 農学部, 教授 (30136288)
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キーワード | 抗エイズウイルス / 硫酸多糖 / 海洋微細藻 / Cochlodinium |
研究概要 |
瀬戸内海で採集し、研究室保存株の微細藻 Cochlodinium polykrikoides の無菌株を調製し、これを多糖生産株として維持し使用した。グロースキャビネットを用いて温度、光、通気条件培養時間を制御して多糖の生産性を検討した結果、培養は岡市らによる海水栄養塩添加培地 (ESM) を用い、21℃、3500Lxでの培養が高い効率を示した。培養液を濾過し藻体を除いて得た上澄液からエタノール沈殿、Cetavlon沈殿により酸性多糖を集めた。透析後、凍結乾燥して多糖標品を得た。これはDEAE-celluloseカラムクロマトにより1Mおよび2M NaCl で溶出される画分に分かれ、分離・精製した多糖は、超遠心及びセルロースアセテート膜電気泳動分析で均一性の高いことが認められた。精製多糖は、多少の生産条件の変動によっては抗ウイルス活性に変化は見られず、強い抗HIV-1活性とリンパ球MT-4培養細胞に対する増殖促進作用を示した。粗多糖として、培地1l当たり26mgの収量となったが、精製することにより12mgに減少した。本藻は、 Gymnodinium A3に対するモノクロナール抗体に反応を示したことから、今後種の同定について注目する必要のあることが示唆された。本多糖の^<13>C NMR 分析から、Anomeric carbon、ウロン酸及びLinkage positionを示すシグナルがそれぞれ5,1,及び4 本認められ、ウロン酸を含む5 糖残基を基本とする多糖と推定された。構成成分の検索は、加水分解により構成単糖、有機酸、アミノ酸無機イオンの検索を行い、糖としてグルコース、ガラクトース及びウロン酸が認められた。ウロン酸のカルボキシル基還元から、これはグルクロン酸と推定された。この他硫酸基が約9%認められ、本多糖が示す抗ウイルス作用と関係が深いと推定した。
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