研究課題/領域番号 |
07456100
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
熊谷 宏 京都大学, 農学研究科, 助教授 (20003139)
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研究分担者 |
宇佐見 晃一 京都大学, 農学研究科, 講師 (10203506)
小林 慎太郎 京都大学, 農学研究科, 助教授 (20026602)
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キーワード | 中山間地域農業 / 地域農業効果評価 / 農業外部効果 / 土地基盤整備事業 / 土地基盤整備効果評価 / 地域農業投資負担 / 農村公共経済学 / 農村社会会計学 |
研究概要 |
わが国の中山間地域は食糧基地、定住地域、農村文化・環境・国土保全地域、農村景観・休養・教育地域としてその安定存続を図らねばならない。しかし、これを担保するのは適正な地域農業の持続とこれを直接担う適性な地域農家の存続であり、このために農家の農業私的便益の持続的満足と土地基盤の整備促進が絶対に欠かせない。そこで、本研究はこのような土地基盤整備の促進に向けてその基礎研究を以下の3課題のもと、理論的・実証的に進めようとした。(1)中山間地域の地域農業の全部効果とその現代的評価方法の解明・開発(公共経済学・社会会計学に依拠して)、(2)中山間地域の土地基盤整備事業の全部効果とその現代的評価方法の解明・開発、(3)中山間地域の土地基盤整備事業投資の負担方法の検討(公共経済学に依拠して)。 本研究は5作業過程からなる。(1)地域農業の全部効果とその評価方法の先行研究の整理(公共経済学的・社会会計学的接近を含む)、(2)土地基盤整備事業の効果とその評価方法の先行研究の整理、(3)中山間地域の地域農業の全部効果とその評価方法の解明・開発(公共経済学的・社会会計学接近を重視して)、(4)中山間地域の土地基盤整備事業の全部効果とその評価方法の解明・開発、(5)中山間地域の土地基盤整備事業投資の負担方法の解明。研究第1年度(平成7年度)はこのうち(1)(2)を徹底して進め、同時に次年度(3)(4)の作業に向けて集中的実証地区(岐阜県飛騨東部地区、奈良県大和高原地区、奈良県五条吉野地区、福井県大野地区、岡山県津山地区、広島県中部高原地区など)に概要調査を精力的に実施した。地域農業の効果の研究はほとんど国外に依拠していて、わが国の農業・農村の特殊性が踏まえられていないこと、土地基盤整備事業の効果の研究は農水省に偏っていて、その「効果」の範囲はきわめて狭いことがわかった。
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