平成7年度は現地での水質・流量調査を1995年5月9日以降定期的に(ほぼ10日に1回の頻度)27回行った。また、1995年8月1日から翌2日にかけて、最下流の地点において連続28時間の1時間毎の水質変動調査も行った。水質測定項目は、pH、EC(電気伝導度)、pH4.8アルカリ度、TN、D-TN、NH_4^+-N、NO_2^--N、NO_3^--N、TP、D-TP、PO_4^<3->-P、Na^+、K^+、Ca^<2+>、Mg^<2+>、Cl^-、SO_4^<2->、T-COD_<Mn>、D-COD_<Mn>、SS、溶存SiO_2、紫外線吸光度の23項目からなる。調査地点は、本川に沿った11地点と流域内の支川の17地点および下水幹線排出口1地点の計28地点である。資料としては流域の流量、降水量データを収集し、地形図とリモートセンシングを利用して流域の土地利用別面積を得た。また調査河川の過去の水質データを収集し、流域内の生活排水の処理方法に関する情報収集も行った。これらのデータをもとに、調査河川の低水時の水質特性について次のような結果を得た。(1)団地等の宅地からの生活汚水水質の経時変動については、クラスター分析の結果、短期(日単位)と長期(年単位)の時間スパンでほぼ同様な水って変動していると考えられた。(3)水質の空間分布については、土地利用と密接に関連するものが多い事が明らかになった(EC、pH4.8アルカリ度、Na^+、K^+、Cl^-、SO_4_-、TP、D-TP、PO_4^<3->-P、Mg^<2+>、NH_4 ^+-N、Ca^<2+>の12項目)。た。逆に山林はどの項目についても関連性が見られなかった。また、増水時と低水時では水質の空間分布が異なることも明らかとなった。今年度は水量・水質モデル構築の基礎情報を得ることを中心に進め、水環境保全手法に関する予備的考察を行った。
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