研究課題/領域番号 |
07456108
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
中川 昭一郎 東京農業大学, 農学部, 教授 (20246664)
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研究分担者 |
桝田 信彌 東京農業大学, 農学部, 講師 (50078218)
成岡 市 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (70211448)
駒村 正治 東京農業大学, 農学部, 教授 (60078194)
小倉 力 農林水産省農業工学研究所, 研究室長
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 耕作放棄 / 傾斜地水田 / 立地条件 / 水田圃場施設 / 植物遷移 / 地滑り・崩壊 / 土地利用対策 / 防災 |
研究概要 |
近年の農業・農村をめぐる厳しい諸条件下で、日本国内の中山間地水田では耕作放棄が急速に進みつつあり、地域振興や国土保全の観点から多くの関心が寄せられている。本研究では、全国視野での分析と同時に長野県内の耕作放棄水田地区を定点観測地区として、(1)水田圃場(畦畔、用水路、排水路、ため池、農道等)、(2)水田土壌・土層(作土、耕盤、心土層)、(3)雑草浸入など、耕作放棄に伴う変化・遷移・崩壊のメカニズムを経年的に調査・分析し、その成果をもとに新たな防災・保全対策や土地利用のあり方を検討した。 現地調査では、(1)気球による空中撮影で棚田の地形および耕作水田・放棄水田の区分、(2)TDRで作土層の体積含水率測定、(3)検土杖で耕盤〜心土層の自然含水率測定、(4)枠調査による地被植生の積算優先度を算出し植生分布の調査、(5)優先割合の高い植生を休眠型により乾性植物・湿性植物・中間植物に分類、(6)圃場の土壌水分変化の測定、などを実施した。 その結果、作土層と耕盤層では上流ほど、標高が高いほど土壌水分量が多い傾向があり、棚田の切土部は盛土部に比べて地下水の影響を受けて湿潤をとなる傾向がみえ、表層土壌の乾湿状態は地下水の動き、土層構造、土層硬度といった水田土壌型とに相関があることが判った。また、植物の優先種が混在する地区や単独優先する地区があり、乾性と湿性の両方の植物遷移があり、浸入雑草は土壌水分量と相関があることも判り、地下水位の高低による指標植物を決定することができた。さらに出現優先種の根茎の形態・分布の特徴を整理し、耕作放棄が継続すると土壌の乾燥部に乾性植物の根茎が土壌構造の崩壊を助長することを示唆した。
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