研究課題/領域番号 |
07456109
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
田中 忠次 明治大学, 農学部, 教授 (70167500)
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研究分担者 |
小島 信彦 明治大学, 農学部, 助手 (10277725)
秋吉 康弘 宮崎大学, 農学部, 助教授 (30041031)
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キーワード | 渓流取水工 / オフストリームダム / トラップダム |
研究概要 |
トラップダム方式バースクリーン複合型渓流取水工の取水特性を明らかにし、オフストリームダムの導入によって離島、渓流河川における接続的水資源開発、利水システムの確立を図るため、次ぎのような研究を行った。 (1)オフストリームダムと位置付けられる面河ダム(愛媛県)の現地調査を行った。本ダムは築造後既に34年経過しているが、渓流取水において土砂を取りいれない工夫をしてきたため一定の自流域が存在するにもかかわらず、堆砂が極めて少ないことが確認された。オフストリームダム方式は堆砂対策上からも極めて優れていることが明らかになった。 (2)離島におけるバースクリーン方式の取水工の実地調査屋久島を対象に行った。屋久島は地形が急峻であり、水源施設としてのダムは無く、農業用水・生活用水は渓流取水に頼らざるを得ない地区である。山地の大半が花崗岩からなり、洪水時には巨大な岩と同時に風化(まさ化)した土砂も大量に渓流を流下しており、取水管のスリットでの目詰まりが大きな問題であった。バースクリーン方式の取水施設では巨大岩による損傷は無く、スクリーンに目詰まりはあったものの取水機能には問題がなく安定的に取水できる状況にあることが判明した。 (3)長崎県の離島、野崎島におけるトラップダム方式バースクリーン複合型渓流取水工群とオフストリームダムによる利水システムのシミュレーションを行い、渓流取水工の規模、導水管理の最適諸元を決定した。既にオフストリームダムは完成し、渓流取水工、導水管の建設工事は次年度に予定されている。 (4)台湾花蓮県のトラップダム方式複合型渓流取水工を調査した。本地区では豊水時にはバースクリーンからの流入水を、渇水時には床固工上流側の伏流水を導水管で取り入れている。取水工直上流の床固工水褥は取水の安定に効果を示し、これまでの機能調査では初期の目的を十分果たしている。
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