発泡スチロールの需要は増加しており、その内訳は農業関係、約40%、家電、OA機器の緩衝材、各約20%、その他断熱材などで約20%と言われている。このように農業関係への発泡スチロールの需要が増加している中、その廃棄物としての増大が大きな問題となってきた。この廃棄物としての発泡スチロールに注目し、その処理方法について検討した。発泡スチロールはかさ高いことから、どの様に処理されるしても先ず減容する必要がある。前年度の調査において卸売市場では多くが溶融減容法を採用していることが分かった。これは溶融減容の場合、回収ルートが比較的確立されているためと見られた。しかし、溶融減容は高温加熱によりプラスチックが劣化したり、中国などへの輸出が多いが、需要が不安定、また売却費が安価など、最善方法には程遠いと考えられる。そこで、リサイクルを主眼にしてさらに優れた減容方法を見い出すために実態を調査し、併せて基礎的実験を行うことにした。 1、発泡スチロールの減容事例の調査 (1)現在発泡スチロールの油化還元装置として開発・実用化中の装置の現状調査を行った。また、その装置によって油化された生成油の定性分析を行った。 (2)家電用の発泡スチロール再生システム(溶媒としてリモネン、塩化メチルを使用)について現状を調査した。 2、減容化に対する基礎的実験 (1)圧縮減容化について;効率的な減容化に対する載荷荷重と載荷時間の関係を明らかにした。 (2)油化生成油を溶剤として用いる時の油化油の濃度とその溶解速度との関係を明らかにした。 3、これらの調査結果を基礎に油化装置の基本構想を構築した。
|