発泡スチロール減容化、油化生成油の特性、生分解フィルムの特性について検討した。 1、発泡スチロールの減容化 昨年度効率的な載加荷重と載加時間について調べた。しかし載加時間が長い、十分な減容が不可能などの問題点を残した。継続して供試材料の容積を1/4にして実験を試みたが、供試材料を細かくしても短時間で十分に減容することは不可能であった。これらの結果から、加圧荷重のみの減容は不可能と判定した。 そこで加圧の前処理として100℃で加熱し、軟化した後、加圧した。その結果5分間の加圧では1/20前後まで減容された。しかし、予備加熱に2〜4時間要し、この点に工夫が必要であると判断した。 次に加熱時間短縮も含めて加熱温度を上げてみた。加熱温度を130℃以上にすると、非常に短時間で減容化した。しかし、それ以上温度を上げてもそれほど減容化は進まなかった。 市場で使用される発泡スチロール箱を140℃で加熱したところ非常に短時間で減容すると共に紙ラベル等の剥離が容易であった。 減容に関しては加熱による方法が良いと思われるが、危険性、省エネルギを考えたときなるべく低温で処理することが好ましい。これらを考慮すると130〜140℃の加熱が最適と考える。 2、油化生成油の高発熱量と粘度について測定した。ほぼ重油程度の発熱量であった。 3、青果物包装用に多くのプラスチツクフィルムが用いられている。現在は高価なためまだ、実用化は希だが将来性は十分ある。そこで、これらのフィルムを使用して青果物を包装したときの炭酸ガス濃度の経時変化などについて検討した。この結果生分解性プラスチックフィルムは低密度ポリエチレンフィルムに比べて炭酸ガス濃度が高くなる傾向が見られた。また、これらのデータは将来的に青果物のCA貯蔵最適のガス条件が明らかにされたとき、十分役立つと考える。
|