研究課題/領域番号 |
07456114
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
村田 敏 九州大学, 農学部, 教授 (30038187)
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研究分担者 |
中司 敬 九州大学, 農学部, 助教授 (50128055)
河野 俊夫 九州大学, 農学部, 助手 (60224812)
内野 敏剛 九州大学, 農学部, 助教授 (70134393)
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キーワード | 農産物 / 調製加工 / 物理化学 / シミュレーション / 平衡含水率 / 限界含水率 / 視覚化 |
研究概要 |
おおむね研究計画に沿って実験や解析を行い所期の結果を得た。しかし、初年度であり、マクロスコープの納入が遅れたので、吸水機構や変形に関する詳細な測定は遅れた。しかし、穀物の吸水がどのように進行するかの定性的なものは時間を追って画像に記録することによって明らかとなった。すなわち、白米を浸漬した場合、水は胚部から、まず、腹部に沿って浸透し、遅れて背部から背の中心をとり囲むように浸透する様子がはっきりと視覚的に撮影記録された。これは、先に、水浸米の裂傷に関する研究(村田ら、1992)で背部と腹部の浸透速度を測定したのに一致する。また、呼吸速度に関する水分の影響式は熱力学的な検討を行ったにかかわらず適合性は悪かった。これは、今後実験精度にも問題があり、更に検討を進めたい。シミュレーションの基礎となる拡散方程式の数値解法については選点法を用いているが、FEMや差分法との比較が必用と考えられた。平衡含水率の表現式については画期的進歩があった。従来において提案されてきた平衡含水率に関する諸式はすべて、湿度100%において含水率が∞%d.b.である。しかしこれは水浸したときに明らかなように実際には膨張には限界があり飽和する。これを飽和含水率と定義し、矛盾を解決する式を提案した。この式はまた、極めて実際のデータと一致することが証明された。
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