研究課題/領域番号 |
07456129
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊藤 茂男 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (40109509)
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研究分担者 |
太田 利男 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 講師 (20176895)
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キーワード | イヌパラサイロイドホルモン / PTH受容体 / cDNAクローニング / ノーザンプロット解析 / 環状AMP / 平滑筋 / 細胞内Ca濃度 / 膜電位固定法 |
研究概要 |
(1)PTH受容体の再クローニングの結果、イヌPTH受容体はこれまで報告された他の哺乳動物とのホモロジーは高いが、C末端の解析により細胞外領域に、他種とは異なるリピート構造を確認した。(2)ラット前腸間膜標本を用いて、PTH関連ペプチド(PTHrP)の作用を調べPTHの作用と比較した結果、高濃度K収縮に対する抑制作用はPTHよりも弱いが、フェニレフリン収縮に対しては強い抑制作用を示した。(3)PTH受容体を介する収縮抑制は受容体刺激により生じた環状AMPが平滑筋の細胞内Ca^<2+>ストアの機能を変化させた結果であると考えられたのでCa^<2+>ストアからのCa^<2+>放出機構とストアへのCa^<2+>取り込みの性質を消化管平滑筋を用いて調べた。(4)細胞膜電位固定下で単一平滑筋細胞の膜電流と細胞内Ca^<2+>濃度を測定し、細胞内に投与したケージIP3を光照射しIP3を細胞内に瞬時に放出させその反応を解析した結果、IP3は細胞内のCa^<2+>濃度を高める前にCa^<2+>活性化K^+チャネルを活性化させた。このことは、IP3により放出されたCa^<2+>は細胞全体のCa^<2+>濃度を高める前に膜直下のCa^<2+>濃度を増加させることを示している。(5)さらに、ラットの小腸平滑筋では、血管平滑筋細胞と同様、IP3とカフェインを介する細胞内Ca^<2+>ストアからのCa^<2+>放出はK^+チャネルのみではなく、CIチャネルを活性化さることが示された。(6)また、この標本ではCa^<2+>ストアへのCa^<2+>取り込みには電位依存性Ca^<2+>チャネルとは異なるCa^<2+>チャネルを介してCa^<2+>が効率的に取り込まれていることが明らかとなった。(7)PTH受容体を介するフェニレフリン収縮抑制作用は生成した環状AMPによるCa^<2+>ストアからのIP3誘発性Ca^<2+>放出もしくはCa^<2+>ストアへのCa^<2+>の取り込み抑制が関与していると思われる。
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